2011年10月13日(木)

セブンイレブンは大丈夫か?

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 テレ朝のシルシルミシルを相当にパクッた企業タイアップ番組が、フジテレビ土曜日19時放送の「リアルスコープ」です。10月上旬の放送ではセブンイレブンを取り上げていました。

 その回はセブンのおでんのネタがどこで作られているかがテーマで、ちくわは青森、ロールキャベツはタイのバンコック、つくね焼は中国山東省青島などで全量製造していると紹介されていました。さすがトップ企業のセブンイレブン、世界を跨いで美味しさの追求とコストダウンを図っています。

 その後セブンアイホールディングスの天皇、鈴木敏文さんにインタビューをします。毎日役員がお昼に会議室に集まり、セブンイレブンのお弁当類の新商品を食べて、採用するかどうかを決めていると放送されていました。その他にも、「セブンの店舗には毎日チェックに行くが、他社のコンビニ店には入らない」、「冷やし中華の試作品を作ったところ鈴木会長に駄目出しされ続けて、12回目でようやくパスした」等の役員の発言もありました。これらの発言を聞いて非常に危ないものを感じました。大丈夫なのか、セブンイレブンは?

 鈴木会長が79歳でこの人の味覚をパスしないと商品化されないというのは、「どうかしてるぜ!」と突っ込みたくなります。50歳も過ぎれば脂っこいものは敬遠しがちで、ステーキだってサーロインよりはフィレを注文するようになります。鈴木会長以外の役員だって60歳前後だろうし、そんな高齢者軍団が味覚の決定権者というのは、ワタミの宅配にはあってもコンビニではあり得ないと思います。味の決定権者は年寄幹部ではなく、味覚に優れた若い世代に任せるのが筋ではないでしょうか。お客さんの主流が若い世代なわけだし。

 15年くらい前にセブンイレブンに新築店舗を賃貸で借りてもらったことがあります。この時出店担当者が、出店にあたっては他社の店舗がどこにあるかはあまり気にしないと言っていました。あくまで自社の店舗が近隣に無ければ、出店して行くと言うのです。その頃はまだ他のライバル店は弱く、セブンの一人勝ちの状況なので、そういう考えだったのでしょう。

 現在はライバルのローソン、ファミリーマートとも、もの凄い勢いで商品開発を行っているし、セブンを追い越そうと努力をしています。そして日本を飛び越えて、これからはまだまだ白地の海外が主戦場となっていきます。海外では内向きのセブンアイよりも、三菱商事、伊藤忠をバックにしたローソン、ファミリーの方が逆転するかも知れません。テレビの番組だから敢えて余裕の発言をしていたのかも知れませんが、今まで日本国内で勝ち過ぎたセブンイレブンだからこその危うさを感じずにはいられませんでした。

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