2012年1月19日(木)

中学受験学習塾の秘密

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 8年前くらいに大宮駅近くのビル売り物があり、レントロール(ビルのテナント賃貸借一覧表)を見ると、“ジーニアス研究所”という社名が載っていました。Genius(天才)研究所か、凄い押し出しの強い社名だ。そう思って現場に行くと、その階には中学受験で日の出の勢いのサピックスが入っていました。そうかサピックスを経営しているのは、ジーニアス研究所なのかと知ることができました。平成11年頃、自由ヶ丘ガーベラ通りで200坪くらいの商業地を買ったのがサピックスでした。その時は学習塾がそれだけの土地を買えるのかと驚いたものです。

 そのサピックスを代々木ゼミナールがM&Aしたと聞いた時も驚きました。飛ぶ鳥を落とす勢いで、受験ママには認知度100%のサピまで身売りかと。代ゼミは2009年9月にサピックスの中学部、高等部を買収、その後2010年5月に小学部を買収しています。

 サピックス台頭前は、一番人気だったのが日能研。日研(ライバル校はややおちょくった感じで能研とも言います)は、今でも大手傘下の軍門には下っていません。1953年に横浜市港北区の菊名で産声を上げ、現在でも新横浜が本部となっています。

 日能研台頭前の王者だったのが四谷大塚ですが、代ゼミがサピを買収する3年前の2006年10月に、東進ハイスクール経営の㈱ナガセに買収されました。ナガセは永瀬昭幸氏が東大在学中に設立した学習塾で、一度は野村証券に就職するものの2年後には東進ハイスクールの事業に専念します。

 スパルタ授業で有名な早稲田アカデミーも中学受験では知られた存在です。内の子供の受験の時には、鉢巻を巻いた熱血講師が受験会場の門の前に集結し、一際大きな声で子供たちを激励していたのが印象的でした。この早稲アカも2010年10月にナガセが44%を持つ筆頭株主になっています。

 このように大学受験の予備校が中学受験学習塾を傘下に治めるのは、頭の良い子供の囲い込みだと週刊新潮の記事に出ていました。浪人して予備校に行く子供がピークの平成2年代には30万人超いたのが、平成14年には14万人。現在では9万人弱まで減少しているというのです。このままでは大学受験予備校が立ち行かなくなることは自明の理です。

 杉並区がまだ山田区長だった頃、リクルート出身の藤原和博氏を杉並区立和田中学の民間校長に任命し、藤原氏のバイタリティあふれる取り組みが話題になりました。放課後のサピックスの塾講師を中学校に派遣し、成績優秀者を中心に学習塾流の補習を行いました。この補習の名前が“夜スぺ(夜スペシャル)”。この時はみんなが受けられないなんて不平等だという反対意見もありましたが、私塾よりは低料金で良い授業が受けられるのだからと父兄には評価が高かったと記憶しています。しかし中学校父兄とは関係のない杉並区民から、中学校を目的外に使ったという名目で監査請求を受けたりして、夜スぺの活動は止まってしまったようです。

 藤原和博氏は和田中学校長を2008年に退職し、現在は大阪府教育委員会特別顧問  の立場にあります。橋本前知事に請われて、大阪府の教育を立て直すべくその立場に付きました。日教組が支配する歪んだ教育行政を少しでも改善して欲しいと願っています。

 関西では灘中学、東大寺学園等の有名進学校合格で圧倒的強さを誇るのが希(のぞみ)学園です。ここも2004年に東京に進出すると言うことで話題になりました。当時は灘中に受かるレベルの受験生を名刺代わりに筑波大付属駒場中学、開成中学などを受けさせると放映されていました。現在は東京地区では4校(目黒、荻窪、あざみ野等)運営しています。

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