2012年2月18日(土)
秘かにブームの糀 その2
前回に続いて糀の話です。NHK朝8時台の「あさいち」(2月13日放送)で、塩糀を使った美味しい料理の紹介、麹菌が美容にも良いと説明していました。
塩糀は、5分で簡単に作れるそうです。材料は、米糀100g、水100g、塩30g。作る手順は、①米糀を手でほぐす。②ガラス瓶に米糀と塩を入れる。③水を入れてかき回せる。これだけだそうです。美味しくするには、なるべく暖房器具のそばに置いて10日くらい置いておく。その間1日1回かき回すだけ。こうすることで塩味の中にも旨味と甘味のある調味料の塩糀が作れます。
旨味を引き出す力があるので、価格の安い肉でも塩糀を付け冷蔵庫で5時間程度寝かせておくだけで高級品に様変わり。実験では生の鶏肉に塩糀を付けた物と付けない物で、センサーの棒に圧力を掛け、鶏肉の柔らかさを図りました。塩糀を付けた鶏肉は、センサーの棒が肉に深く刺さり、棒に掛かる圧力が4分の1なので4倍柔らかくなっていました。それだけ糀には肉質を柔らかくする力があるとの結論です。
パスタでもトマトソースに、野菜と塩糀を入れて温めるだけ。塩も胡椒も入れないで良い。塩糀の塩味と旨味成分だけで十分だと言うのです。豆腐を崩して塩糀を混ぜるだけで美味しい。魚の切り身に塩糀を付けるだけで美味しくなる、等々万能調味料の様相です。
何故塩糀が美味しくなるかを、アミノ酸の量で比較していました。単位が分からなかったのですが、昆布出汁が7。旨味調味料(おそらく味の素)が11。これに対して塩糀が19。塩糀には酵素が120種類も入っており、グルタミン酸も豊富に含んでいるとのこと。アミノ酸、グルタミン酸が豊富と言われてしまうと、池田菊苗博士が編み出した味の素もピンチです。
この糀を使った甘酒店が自由ヶ丘にオープンし、大人気になっていると紹介していました。甘酒には2種類あり、関東の様に酒粕に砂糖を入れて作るタイプ。もう一つが寒い地域で多い、米糀を使って作るタイプで、米から出る甘さだけで砂糖は加えていません(もしくはごく少量だけ添加)。自由ヶ丘にオープンしたのは、この糀タイプの甘酒店です。米糀で作った甘酒は飲む点滴薬と言われている。グルコース(ブドウ糖)、アミノ酸を豊富に含み、これを飲むことで満腹中枢を刺激して満腹信号を出す。食事の前に糀に甘酒を飲めばダイエットにも使えるということです。
自由ヶ丘に出した甘酒店は「古町糀製造所」です。先週雪の深い新潟市を訪れた時に、新潟市上古町(かみふるまち)にある古町糀製造所の本店にお邪魔しました。すっかり寂れた上古町商店街に、昨年甘酒店を出したそうです。理由はこの通りを元気にしてほしいと、葉葺社長が頼まれたから。元々の本業は、銀座で「銀座十石」という新潟米を使ったこだわりのお握り屋さんです。寂れた上古町の商店街で、この古町糀製造所だけが地元客をひっきりなしに呼び込み繁盛していました。http://www.furumachi-kouji.com/
新潟市上古町にある「古町糀製造所」
最後に酒蔵の職人の手は何故若々しいかをレポートしていました。糀を触っているどの職人さんの手も艶々しているのです。酒粕の中の成分を研究している広島大学杉山教授が、「シミのもとになる物質にはチロシンとメラニンがある。チロシナーゼという物質がチロシンに働きかけると、メラニンに変化しシミになってしまう。酒粕にはチロシナーゼが働きかける力を失わせる力があり、結果メラニンが形成されにくい。」とコメントしていました。
もう一人の佐賀大学北垣教授によると、「肌のうるおい成分にはスフィンゴ脂質。角質に潤いを与える。」とコメントしていました。
酒蔵の奥さんが長年お風呂場で酒粕を湯船に入れて、酒粕風呂に入っているのも紹介していました。その奥さんは酒粕の入ったガーゼで顔をマッサージし、肌が艶々になると言っていました。我が家のかみさん情報によると、美肌化粧水として断トツ人気のSK―2にも糀エッセンスが入っているとのこと。
何だかとっても評判の良い糀菌。さっそくデパートで乾燥糀を買ってきたので、塩糀を作り、豚肉、鶏肉に塗ってどれだけ上手くなるかチェックしてみます。
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