2012年3月3日(土)

期待を裏切る札幌中央卸売場外市場

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 大学時代の友人3人と札幌に旅行に行った折、夕食はホテル総支配人お勧めの炉端焼きのお店「七福神商店・狸小路本店」に行きました。新鮮な魚介類を炭火で焼いて食べるのですが、特にホタテが絶品でした。直径8cmくらいある肉厚の貝柱。薄味の醤油だし汁を加えて焼いていきます。程よく両面焼けると、お店のお姉さんがハサミで適当な大きさにカットしてくれます。

        炉端焼きの具材

        焼けた大きいホタテ(お姉さんカット後)

「肝のところが特に美味しいですからね」。そう勧められて食べると、絶品!生臭さが全くなく、甘味のある肝。身の貝柱、紐も旨味が強く目一杯堪能できました。ホタテ以外も、ツブ貝、氷下魚(こまい)の魚介類も東京では味わえない新鮮さです。全く期待していないジャガイモまで、甘味が強い。雪室で保存し糖度を増したジャガイモなのかも知れません。

 やっぱり札幌の魚介類は旨いなぁと感心した翌日、お昼はタクシー運転手さんが勧める札幌中央卸売場外市場(東西線「二十四軒駅」徒歩6分)に行くことにしました。運転手さんに「二条市場ではなく、今は中央市場が人気なんですか」と聞くと、「今では誰も二条市場は行きません。地元の人も観光客も中央市場に行きますよ。北の漁場と言う食堂が何店舗かあるので、そこで食べれば間違いないですよ。」と勧めてくれました。「北の漁場では何が美味しいんですか?」としつこく聞くと、「いや、私も食べたことが無いんで詳しくは分からないんですが...」とややトーンダウンした答えが返ってきました。

 大学出たてで札幌に遊びに行った30年前は、二条市場が元気で札幌に行くたびに食べに行きました。5年前くらいに久しぶりに二条市場を覗いて、がっかりしたことがあります。どの店も1杯5000円の冷凍毛ガニと8000円から1万円のタラバガニしか並んでいません。後はスルメイカや乾物だらけで、地元産の魚は全く並んでいません。それ以上にうざいのが、観光客を見つけると「お客さん、毛ガニ、毛ガニ」と勧めてくるお店のオジサン、オバサン。そうか二条市場が観光客相手にボッタクリを繰り返していたから、中央市場に客を取られてしまったのか。

 2月の寒い時期なので観光客も少なく、お店はどこも閑散としています。特に当てもないので、タクシーさんから進められた「北の漁場3号店」に入りました。一緒にいたO君は、「よし、今日は思い切って毛ガニにしよう。毛ガニを一杯頼むぞ」と気合十分で、一杯5300円の毛ガニを注文しました。M君は海鮮丼、私はお勧めと書いてある寿司を頼みました。

 熱燗を頼んだのに10分以上待たされイライラしていると、最初にM君の海鮮丼が出てきました。ホタテ、ボタンエビは新鮮な感じですが、マグロの赤身がかなり色が悪くなっています。「なんかネタが乾いちゃっているな」とM君。次に出てきた私の寿司は見た目は良いのですが、シャリがえらく冷たい。カウンターで握ってすぐ持ってきているはずなのに、何故こうもシャリが冷たいのか?

 清水の舞台から飛び降りたO君の毛ガニは、5300円にしてはちょっと小さ目の感じです。「どうだ、上手いか?5300円分の味がするか?」と聞くと、「なんか、ちょっと味が無い..。朝茹でってメニューには書いてあるのに...。」とテンションが低くなります。「そうか、でも朝茹でって書いてあるけど、何時の朝かは書いてないからな。三日前かも知れないし。」と皆で追い打ちを掛けます。

 ようやく出てきたのが、煮えたぎった熱燗。お客さんも我々だけで空いているのに、何故こんなに熱燗出すのに時間が掛かるのか?ガッカリしてお店を出て、場外市場数店に立ち寄ってみましたが、ほとんどが毛ガニに、タラバガニの足、縞ホッケの開き。後は昆布や瓶ものなどの保存が効くものばかりです。二条市場の様相と50歩、51歩。そう言えば観光客しかいなくて、日曜日だと言うのに地元民は誰もいません。

       札幌中央卸売場外市場風景①

       札幌中央卸売場外市場風景②

 中央市場から札幌駅に出て、電車の時間まで多少あったので、札幌駅大丸デパートの地下食品魚売り場に行きました。そこには地元産の生魚がたくさん置いてあり、先ほどの中央市場場外よりも数段に生きが良いのです。特に私の目を引いたのは、体長35cmくらいある新鮮な生ニシンです。この生ニシンがなんと3匹600円で売っているのです。その隣にあるのが毛ガニで一杯1500円。多少小ぶりですが、東京だと3000円クラスでしょうか。早速毛ガニ4杯と、生ニシン6匹を購入し、冷凍便で自宅に送りました。

 大丸のデパ地下で新鮮な魚がこんなに安く買えるのなら、地元民は誰も中央市場に行かないよな。このままではここもきっと二条市場の二の前になると思います。

追記)家で食べた生ニシンの焼き魚は、身が甘くて柔らかく、滅茶苦茶美味しかったです。干したニシン焼きしか知らない東京人は、是非一度食べた方が良い品物です。

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