2012年9月21日(金)

積極的に不動産融資を行う銀行

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

先日、不動産ファンド会社の方たちと会食をした折、色々昨今の不動産情勢を教えて頂きました。

皆、東京の優良不動産なら買いたい気持ちは強く、それでいて物がほとんど出てこない状況。従って、たまに大型案件が出ると、かなりの高額取引になる。今年の3月にアンジェロゴードン(米国のファンド)が購入した紀尾井町ビル(司法研修所跡地を大京が開発した旧・紀尾井町大京ビル。その後モルガンスタンレーが買って、2008年に森ビルが購入)。これも利回りは、4%ちょっとということ。

Aさん「銀行さんも融資先が無いので、不動産融資をまたかなり積極的に始めていますよね。あの固い静岡銀行もノンリコースローンの融資を行いましたし。りそな銀行も掛け目80%とかではなく、100%融資を行っています。まあこれはリコースローン(普通の融資)なので、かなり相手を見て貸すんでしょうけど。」

私「えっ?100%出しちゃうんですか。懐かしいですね。昔のバブルの時と一緒です。」

Bさん「札幌の例ですけど、信金が不動産融資にものすごく積極的です。それも札幌地場の信金では無く、伊達信金とか室蘭信金とかです。地元でまとまった融資先が無いので、まだ安心出来る札幌の不動産融資に流れているのでしょう。但し、融資額は2億円以下。従って、札幌で流通性があるのは、2億円以下の物件ばかりで、これを超えると途端に売れ行きが悪くなります。」

Cさん「札幌でも10億円超えだと、リートが買いに来るので、2億円から10億円の間の不動産を逆張りで安く買っておくという選択肢もありますよね。ただ、エリアが限られているから、集中して見ておくマーケットではないですけど。」

都心部でも一度テナントが退出すると、なかなか次のテナントが決まらない需要不足。その状況下でも、銀行の不動産融資だけは活況を呈しているようです。

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