2012年12月17日(月)

マグロ養殖のツナドリーム五島

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

名古屋に出張し宿泊することになったので、名古屋に赴任中の大学時代の友人K君(損保会社勤務)と一杯やりました。

K君「つい最近長崎県の五島列島まで行ってきたんだ」

私「五島列島か。行ったことないけど、近畿大学の養殖マグロを育てる会社があるって、日経ビジネスの記事を読んだな。確か豊田通商の若手社員がベンチャーで会社を興したって書いてあったけど。」

K君「ほー!良く知ってるじゃん。正にそのマグロ養殖の会社、ツナドリーム五島に会いに行っていたんだ。近畿大学はマグロの卵を孵化させて、それを成魚まで育てると言う完全養殖を目指している。卵を孵化させるところまでは無事漕ぎ着けたんだけど、その後にもう少し大きくするところまで育てるのが難しいんだ。」

私「それってヨコワって言うんでしょ。今までは自然界にいるヨコワを南洋沖で捕まえてきて、養殖するやり方が主流だったけど、ヨコワも減り過ぎたので、今までみたいに獲ってはいけないと騒がれているよね。」

K君「そうそう、5、6cmの赤ちゃんを30cmくらいの大きさのヨコワにするところまでが非常に難しく、そこまで育てようと言うのがツナドリーム五島のビジネスなんだ。しかし、水温が2度くらい変化しただけで大量のマグロの赤ちゃんが死んでしまう。それをどうコントロールして、ヨコワの大きさにまで無事に商業ベースに乗せて育てられるかが勝負なんだ。ヨコワにまで育ってしまえばもう簡単には死なないから、誰でも養殖はできてしまう。」

私「それでお宅ら損保会社はどうやって絡むのよ?」

K君「あんまり言えないけど、ヨコワに育つまでどう保険が掛けられるか、これを共同で研究中ってところかな。」

ツナドリーム五島をネットで調べると、豊田通商の経理課社員だった福田さんが近大マグロの完全養殖事業を知り、絶対にこれは日本でやり遂げなければならないビジネスと確信し、会社を説得。ツナドリーム五島を設立し取締役に就任、家族を引き連れ五島列島に移住。現在孤軍奮闘している最中なのです。

日本人はマグロを獲り過ぎるなと海外から文句を言われ、その一方、欧米諸国、アジア新興国で寿司人気で需要が高まり、ますます品薄になっているマグロ(特に価格の高い本マグロ)。これを孵化から、ヨコワにまで育て、成魚まで一貫して日本で育てる。非常に夢のある物語、まさにTuna Dreamです。これが成功すれば、九州、四国、沖縄、この周辺の離島の一大産業に成長させることができます。

2年前くらいにマルハの友人から、マグロの完全養殖は滅茶苦茶困難な事業で、現状では夢物語だと聞かされたことがあります。彼の言うとおり大変困難な事業なんでしょうけど、ツナドリーム五島には是非ブレイクスルーしてもらって、離島の過疎化を救って欲しいと願っています。

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