2013年8月6日(火)

サラダボウル社のパプリカ戦略

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

山梨県で2004年に起業した農業ベンチャーの㈱サラダボウル。代表は銀行から外資系生命保険会社を経て独立した田中進氏です。この方の書いた本を読んでいてなるほどと思ったのが、パプリカ(赤や黄色のピーマン)の生産販売です。スーパーで見事な大きさの赤や黄色のパプリカが、大体1個200円くらいで売っています(大きく形よく育てるのは手間も掛かり、結果売値も高くなる)。通常のグリーンのピーマンが5個詰で200円くらいだとすれば、グラム単価で2倍くらいの感覚です。

赤や黄色のパプリカはサラダに入れると色目も良く、まるごと使うよりは少量づつ使う需要が高い。通常売っている赤と黄色のパプリカを1個づつ買うと合計400円。でも、400円の支出は高いし、1回で使うのはこの半分ということも多く、単身者、2人家庭では無駄にしてしまうことも多々あります。

サラダボウル社は、敢えて大きい形も良いパプリカを作らず、普通のピーマンの大きさの赤や黄色のパプリカにすることで、作業の手間を簡素化しコストダウン。価格も赤と黄色の2個入ったパプリカを100円(通常ピーマンと同じくらい)でスーパーに出荷しています。

スーパーで買う時のパプリカは見た目も良く、あんまり形が良すぎてプラスチックでできているんではと思うこともあります。しかし所詮は色付きピーマン。カットして食べてしまうだけなので、多少小振りでも味が良ければ、まして価格が安ければ文句はありません。かくして、サラダボウル社の赤と黄色の2個入ったパプリカを100円セットは人気商品となり、スーパーに出荷すればすぐに売れてしまうそうです。

多分他の農産物でも同じような例は沢山あるのでしょう。形も良く、見栄えを良くするために多大の労力を掛ける。多大な労力を掛けた結果、どうしても高く売らざるを得ない。トマトもキュウリも茄子も。味が美味しければ、売る方が思うほど形にこだわらないと言うのが消費者ではないでしょうか。リンゴも桃も梨も、形よりも味の方を重視する消費者は大勢いるはずです。

売る方が勝手に思い込み、要らぬ手間を掛けて、結果価格が高くなっている商品群。この逆張りに儲かるヒントがありそうです。

追記1)形も良く見た目は素晴らしいのにちっとも美味しくないのは、枇杷(びわ)です。12個入りくらいで3000円。贈答用には良いのでしょうけど、甘味も少ないし、少し薬臭いし、美味しいものに当たりません。子供の頃隣近所で実がなっていた枇杷の実は、小粒で不揃いですが甘く味もしっかりしていました。大きくして見栄えをよくして高く売りたいんでしょうけど、コストを下げて美味しいものを提供する戦略も当然ありだと思います。

追記2)高級フルーツを作る農家さんは、ほんの少しの傷で出荷できない、売り物にならないと二束三文で処分してしまいます。食べる方(消費者)はそこまで神経質では無いので、多少安くして出荷すれば売れると思います。そう言えば、訳あり(傷あり)をうたい文句に、最近はネットで高級フルーツを安く売っているサイトも見受けられます。

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