2015年4月29日(水)

レトロ溢れる弘前中央食品市場に酒場を作る

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 4月中旬に弘前に旅行に行き、一通りの観光地を回った後、弘前観光を盛り上げる民間団体・路地裏探偵団主催の「夕暮れ街歩きツアー」に参加しました。路地裏街歩きで最初に案内されたのが、魚屋、八百屋、総菜屋などが集まる昭和レトロなアーケード街「弘前中央食品市場」でした。

 中央食品市場は弘前の商業中心地「土手町」の真ん中辺りにあります。土手町も往年の活気はなく、弘前城寄りの「下土手町」には買い物客はいるものの、弘前中央食品市場辺りは閑散としています。当然、食品市場の中もお客さんはあまりいません。上野のアメ横をもっと古くした感じの簡易な食品のお店が並びます。

 市場の中には、小型のねぷたが飾られ、トキオの国分太一が来た時の色紙や、他の芸能人が来た時の写真などが飾られていました。「昔に比べるとすっかり寂れてしまったけど、最近はテレビ局がよく来てくれ取り上げてくれています。」と街歩きガイドの鹿田団長。

 買い物客も少なく活気はないけど、こういう古色蒼然とした市場は妙に郷愁をそそります。東北の町に来たら一度は覗いてみたいと思わせる、そんな雰囲気のある市場です。この空間の中で暫く体と心を

落ち着け、地元の日本酒などを味わえたら最高の気分になります。

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弘前中央市場の内部

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飾ってあるミニねぷた(市場内のおじさんの作品)

 見れば幾つか空き店舗もある様子。どうせならここに、日本酒、ビールが飲める酒場があれば絶対観光客は来るのに。リンゴのお酒「シードル」の日本発祥の地が弘前だから、シードルも出せばよい。そんなんで考えたのが、以下の「弘前中央食品市場・酒場計画」です。

・酒場でつまみは作らないでお酒だけを提供する。お客さんは席を立って、自由に市場の各お店に買い物に行ける。総菜屋さん、魚屋さんから弘前でしか食べられない魚介類、おかず、つまみを買って戻ってくる。地元でしか食べられない物を求めに旅行に来ているのに、意外とそうではないからこの仕組みに観光客は大満足できる。高知の「ひろめ市場」のミニ版。

・酒場のお客さんが市場の既存店で買い物することで、市場の各お店に活気が出る。観光客が喜んで食べたい料理を各お店が工夫して作るようになる。大阪ミナミの黒門市場がアジアの観光客のために、競い合って努力し、物凄い活況を呈している。

・私がここで食べたいのは、ヒラメの刺身一枚盛、生ニシンの塩焼き、顔の付いたホッケ塩焼き、ホヤの刺身、つぶ貝の串焼き、つぶ貝の味噌和え、鰺ヶ沢のイカぽっぽ焼き、ホタテの貝焼き、いがみんち(いかメンチ)、大鰐もやしの炒め物、みずの漬物、菊のおひたし、嶽のきみ(とうもろこし)、じゃっぱ汁、しじみラーメン等々。

・酒場は東北の銘酒をできるだけ揃える。地元津軽の三浦酒造の豊盃「ん」や「桃川」、観光客が喜ぶ「田酒」、八戸の「八仙」。地元だけに拘らず、秋田の「雪の茅舎」、「福小町」、「新政」が参加するネクスト5の酒なども揃えたい。 

 昭和レトロな中央食品市場の空間の中で、地元の料理を食べ、地元の酒を楽しむ。そこで、爺ちゃん、婆ちゃんから半分くらいしか理解できないバリバリの津軽弁で話しかけてもらう。こういう体験ができれば、旅の目的の半分は達成できたと感じるでしょう。

追記 酒場でつまみを出さないのは、市場の他のお店のためではなく、酒場のためでもあります。お酒を出すだけなので誰でもできる。20人くらいお客さんが来ても一人でオペレーションが可能。食べ物を作らないのでお酒だけなので食品ロスが無い。この仕組みは、東京の新宿御苑にある日本酒飲み放題のお店「やまちゃん」で学びました。

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