2015年7月5日(日)

レジャーホテルの最新の状況

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

レジャーホテル、いわゆるラブホテル運営をしている知人からこの業界の最新ネタを教えてもらいました。

1.レジャーホテルへの融資

30年くらい前にレジャーホテル、銀座クラブなどへのレジャー産業向け融資を東京で積極的に手掛けていたのは、長田庄一氏が率いる東京相互銀行でした。後に普通銀行転換で東京相和銀行となり、1999年に破綻。ローンスターに売られて東京スター銀行となり、現在は台湾資本に売られています。

 その後はこの手のファイナンスは、ノンバンクが行うようになります。オリックス、アトリウム等ですがリーマンショック後はどこも一斉に手を引きます。その結果、物件価格が低下(高い利回りでないと売れない)。現在はオリックスを始めノンバンクが資金を出しており、また韓国系商銀なども積極的に融資を行っているので価格は上昇している。

2.有名経営者も秘かに所有

会社を創業し一代で上場させて多額の上場益を掴んだ経営者がレジャーホテルを所有することは多いのだそうです。数人の名前を教えてもらいましたが、へー結構いるんだ思いました。

ただ本業ではプロ経営者でもレジャーホテルの運営には疎いので、最初はオペレーターの良いようにされてしまうことが多い。必要以上に改修工事をされたり、工事費を多めに取られたり。何だかんだやっているうちに、経営者なので経営の要諦を見つけ自前で運営まで行うようになる。そうするとそれなりの運営実績まで持って行けるということです。

3.バニラホテルの売却

土地代がまだまだ高く戸建住宅が高い昔のバブル時代に、縦割りの長屋方式(いわゆるタウンハウス)で業績を上げたのが大伸フードでした。後に社名変更し、㈱セボンとなりますが、2008年8月に民事再生法申請となります。このセボンが手掛けていたレジャーホテル会社が「バニラ」で、負債総額約163億円でした。

 このバニラホテルが最近まとめて売られたと聞いています。

4.大手レジャーホテル経営会社の売却の動き

元々関西系のレジャーホテル主体の会社でしたが、現在は人気飲食店を運営し、リゾートホテル運営も行っています。ここが別会社で持っているレジャーホテル部門を全部売り切ると言う事を聞きました。元々の本業なので、本当かなと言う感じです。ただ会社を大きく伸ばしたり、将来の上場等を目指すのであれば、泣いて馬謖(ばしょく)を切るということなのでしょうか。売るには今は最高の時期かもしれませんし。無事に売れたかまでは聞いていません。

追記 東京相互銀行・長田庄一氏で調べたところ、2013年10月に死去となっていました。亡くなる前の2011年に「バブル獄中記」と言う本も出版しています。いくつかは世に知られていない貴重な証言もあるかも知れないので、機会があれば読んでみたいと思います。

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