2015年10月14日(水)

ほぼ手打ち 宮武讃岐うどん

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 日曜朝7時半にTBSで放映される「がっちりマンデー」。10月11日放送分は「フードコートで儲かる会社」を特集していました。取り上げられたのが下記4銘柄でした。

・ぼてじゅう屋台:関西お好み焼きの人気店がフードコート用に開発した業態。焼く鉄板台を奥ではなくフロントのお客さんが見えるところに設置。お好み焼きを焼いてジュウジュウ湯気が上がる過程をお客さんに見てもらって楽しんでもらう。商品が掲示されるディスプレイもバックライトで湯気が上がっているのを強調。食べる前に五感で楽しんでもらう仕組みでがっちり。

・デザート王国:クレープ、パフェ、フルーツジュース、ケーキ等のスイーツをショッピングセンターで展開。数種類の食材の組合わせで種類の多さを演出している。クレープのフルーツでもバナナ、イチゴ、キウイ、オレンジなどにクリーム、チョコ系を掛けてメニューを増やしている。食事系が流行るお昼、夜の時間帯以外のアイドルタイムにお客さんが沢山やって来る。ショッピングセンター内に同業態がいないことから、価格設定の自社でリードすることができる。アイドルタイムの稼働と、自社希望価格の設定でがっちり!

ちなみに経営会社は、手羽先唐揚げの「高良」、24時間居酒屋の「磯丸水産」、「雛寿司」を展開しているクリエイト・レストランツ・ホールディングス。

・ニューヨーク・ステーキ・ファクトリー:1パウンド(450g)のステーキを約1800円の価格で提供。どちらかというと軽食系だったフードコートで、がっつり食べる顧客需要を産み出した。経営会社は居酒屋主体のつぼ八。2014年12月から新規事業として展開し、1店舗目のイオンモール岡山で人気を博している。

 これに「宮武讃岐うどん」です。経営会社はフォーシーズ。大手ピザチェーンの「ピザーラ」が本業で、最近は「串カツでんがな」もチェーン展開しています。ピザ事業が芳しくない中、他業態に活路を見出そうとしているのでしょう。

 宮武讃岐うどんの売りは、店内調理の“ほぼ手打ちうどん”です。うどんの手打ちは重労働かつ時間も掛かりますが、全工程手打ちではなく、見栄えの良い所だけ手作業を演出しています。うどん生地を麺棒で作業台の上で伸ばすところだけ職人が担当し、他の工程は機械が担当しています。

 うどん打ちで大変なのはうどんを練り込む(踏んだり、麺棒で押す)工程ですが、うどん打ち作業台の下に突起物のついたローラーがぐるぐる回っていて、麺棒に巻いたうどんをそのローラーに押し当てうどんを伸ばして行きます。力がいるうどんを押す工程を機械ローラーが賄ってくれる。ローラーで生地を押して、職人が作業台で麺棒で伸ばしていく。この作業を10回繰り返すことで、本場讃岐うどんの腰の強いうどんが出来上がる仕組みです。伸ばした面をカットするのも、機械が一瞬に切ってしまいます。

 でもお客さんには職人が一生懸命麺棒でうどんを伸ばしているので、「おう、手打ちなんだ!」と見えてしまいます。この仕組みが“ほぼ手打ちうどん”。ちなみに生地は本場高松の60年以上の老舗人気うどん店「宮武讃岐製麺所」から取り寄せています。人気店のブランド名を借りて、うどんで一番大切な生地を配送してもらうことで本場の味が保てると言う仕組みです。

 うどん生地を作る工程は、適度な食塩水を調合し、適度な水を回し、何度もこねて、これを適温で寝かす。この寝かしている時間に高松から他地域へ配送してしまえば良いと言う発想でしょう。非常に賢い発想です。

 うどん業界では、丸亀製麺、はなまるうどん(経営会社は牛丼の吉野家)が人気ですが、かけうどん280円から食べられる宮武讃岐うどんも今後伸びていくことが期待できます。

追記 丸亀製麺の一番売上が多い店はホノルル店とネット記事に出ていました。来店は外国人9割で日本人1割と圧倒的に外国人に支持されています。かけうどん1杯は4ドル(約500円)で日本の290円より少し割高。でも売上が伸びているのは、天ぷら、から揚げ等のサイドメニューを滅茶苦茶食べる外国人によって圧倒的な売上が確保されているようです。

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