2010年7月12日(月)

1-3 市街化調整区域の新ルール

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

都市計画法では同法7条で都市計画区域と都市計画区域外に分けられ、さらに都市計画区域は市街化区域と市街化調整区域に分けられています。ここで市街化調整区域とは、「市街化調整区域とは市街化を抑制すべき地域」と記されています。市街化を抑制するとは、早い話し、住宅・工場等を建てるなと言う意味です。しかし都市計画法施行の昭和43年では、すぐにスパッと市街化調整区域で建物が建てられないとすると混乱が生じてしまうため、経過措置で「既存宅地制度」を残しました。既存宅地制度は、市街化調整区域でも法施行前から建物が建っていた場合は、再建築を認める制度です。

この既存宅地制度を大幅に見直す改正が、平成15年にありました。すなわち従来の既存宅地制度は終了させ、都市計画法施行の精神に帰ることになったのです。今まで既存宅地ということで、住宅開発ができたものが、開発できないケースも増えてきました。

例えば、市街化調整区域内に工場が建っている場合では、今までであれば敷地全体が既存宅地と言うことになり、住宅地開発も可能でした。これが新制度では、従前の用途(工場)であれば再建築は認めるが、違う用途(例えば住宅)では再建築を認めないということになります。

ただし、実際には管轄する市町村に運用を任せている県も多く、市町村の中には比較的緩やかな条件で、引き続き建物の建築を認めている自治体もあります。その都度市町村の市街化調整区域の扱いがどうなっているか、役所で確認する必要があります。

上述の通り市街化調整区域にあっては、原則としては開発を認めない方針ですが、下記内容の都市計画法第34条各号のいずれかに該当すると認められるときには、都道府県知事は開発許可を行うことは従来通りです。

①日常必要品店舗、事務所のため

②鉱物資源・観光資源の有効利用のため

③農林・漁業用で2次的な処理・貯蔵・加工のため

④中小企業の共同事業の向上、店舗のため

⑤既存工場の関連事業のため

⑥危険物貯蔵庫などのため

⑦道路管理施設、給油所などのため

⑧集落地区計画による建築物などのため

⑨既存権利の届出に基づく開発行為(線引き決定当時変更後6ヶ月以内に届けた者が5年以外に自己の居住用や業務用の建築目的に従って行う開発行為)のため

⑩次のイまたはロに該当し、あらかじめ開発審査会の議を経たもの

イ.当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないと認められる20ヘクタール以上の開発行為(但し条例で5ヘクタールまで引き下げることができる)。

ロ.周辺の市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ市街化区域内において行うことが困難または著しく不適当と認められる開発行為。

(出典:「不動産鑑定行政法規の知識」住宅新報社)

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