2016年2月11日(木)

銀座三越8階に免税店開業

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 1月27日にオープンしたばかりの銀座三越8階の免税店。この時期の春節ウィークなら中国人観光客でごった返しているのだろうと思って、先日三越の8階まで上がってみました。そこで見たものは...。

  さほどお客さんがいないがらんとした売場でした。

 日経ビジネスによると、“三越銀座店で準備していた「空港型市中免税店」を27日にオープンした。三越伊勢丹ホールディングスと日本空港ビルディングなど4社の合弁会社が運営する店舗で、銀座で訪日外国人客のさらなる需要を取り込む。三越銀座店は8階の3300㎡の売り場スペースを運営会社に提供することで、賃料収入を得るビジネスモデル“と言うことです。

 免税店フロアまで行くと、売場の女性店員が声を掛けてくれますが、少しぎこちない日本語。そうか店員さんはかなりが中国人スタッフで占められているのか。

 お酒、たばこ、和の土産品、ブランドショップ。なるほど、このフロアだけはDFSの雰囲気になっています。フロアの中央にあるカウンターの後ろには、羽田空港と成田空港の出発便を示す大きなモニターが設置されています。買い物客は、自分の乗るべきエア情報をここで確認できると言う仕組みなのだろうか?

 三越男性店員さんに「ちょうど春節だし、中国人客で賑わっているのかと思いましたが、意外にお客さんいないのですね?」と聞くと、「ええ、まだそんなに宣伝もしていないので認知度は足りていません。ロッテさんの免税店ができる前にオープンしようと、少し無理して開業したこともあり準備が足りませんでした。」

 晴海通りと外堀通りの角で建設中の銀座東急プラザ(旧東芝ビル、以前は阪急デパートが入店)に、ロッテの免税店が開業予定です(2016年3月末)。これを意識しての三越免税店フロア開設か。 

 三越銀座店の地下1階化粧品売り場まで行くと、いつもながらの爆買い中国人が大勢いました。特に一番行列をなしていたのは、アルビオン化粧品です。女性化粧品には全く詳しくなく、最近はコーセーが頑張っているなくらいのイメージでしたが、そうなんだ中国人観光客にはアルビオンが人気があるのか。

 その後三越地下1階で資生堂化粧品を買ってきたかみさんが、店員さんから生情報を仕込んできました。 “8階免税店に観光客が少ないのは、買った商品が空港渡しとなっていること。対象が羽田と成田利用者だけなので、意外と使いづらい。関空を利用して東京に来ている中国人も多く、その人たちは買いたくても買えない。また、ブランドショップにルイヴィトンやシャネルなどの一流ブランドが無いので、それほど魅力的ではない。”との由。

 まあデパートの中だから、8階まで行かなくても他のフロアで買って免税手続きした方が好きな買い物をできるということでしょう。そうなると、銀座三越の戦略(免税店フロア開業)は、大きな成功には結びつかないのかも知れません。

追記1 同じ三越でも日本橋と銀座では飾ってある洋服、物品の柄がかなり違っているそうです。確かに、7階に飾ってあった陶器製の招き猫は、極彩色のそれは派手な柄が施されています。洋服でも派手な服装がディスプレイされています。銀座三越は中国人仕様に舵を切っているのでしょう。

追記2 東芝が東急不動産のSPCに東芝ビルを売ったのが、2007年10月。1,139坪を1610億円(坪1億4100万円)。昨今の商業地高騰で何とか格好はつきましたが、本来であれば数年前に減損していてもおかしくない買値だったと思います。

このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

最新記事

不動産業界コラム

過去の記事

ページの先頭に戻る↑