2016年5月15日(日)
シンガポールの緑化政策
三菱UFJニコスの会員向け雑誌「PARTNER」2016年6月号にガーデンシティ・シンガポールの記事が出ていました。
・現在シンガポールには2600種類の植物が存在している。その内の在来種は4割程度で、残りはリークアンユー初代首相が職員に集めさせた外来種の植物。職員が中南米、アフリカ大陸に行き、高速道路や歩道橋の下(陽が当たらない場所)でも生育できる植物を持ち帰らせて、シンガポールに移植した。
・その時にリークアンユー氏が言ったのが「You’ll have a different city(今とは違うシンガポールになる)」。「この新しい植物が生育すれば国全体の気温が下がり過ごしやすくなる。今とは違うシンガポールになる。」
・この緑化政策が実り街中で緑化が行われ、シンガポールはガーデンシティと呼ばれるようになった。
・シンガポール最大の植物園が「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」。ここのシンボルが高さ25m~50mの人工の木「スーパーツリー」。鉄とコンクリートでできた人工の樹の周りに地上高く緑化植物が覆う。このスパーツリーをライトアップしたショーが1日2回行われる。市民、観光客は無料で光のアートを楽しめ、毎回ショーには大勢の人が集まる。
・2013年にオープンした「パークロイヤル・ピッカリング」はビジネス中心地の入口に位置し、「庭園の中のホテル」をコンセプトにした建物。バリ島の棚田をイメージし、波打つ曲線が特徴であり、15000平方メートルのスカイガーデンを持つ。壁面には南国の植物がビルの上方まで植栽され、地元の人は「ピッカリング通りの緑の建物」と呼んで街のランドマークになっている。
なるほど、暑過ぎるシンガポールを植物を使って気温を下げて過ごしやすくする。そのために世界中から環境に適した植物を集めたのか。見て楽しめ、それで気温が下がれば一石二鳥、三鳥の効果があります。
東京でもやる気になれば直ぐにできる政策です。最近はビル壁面に沿って上手な緑化壁も増えてきています。壁面緑化を一定以上したビルには固定資産税を一定割合免除するとか、投資額の即時償却するとか、補助金を出すとかやり方は幾らでもあります。東京に緑化帯が増え、夏の気温が2度でも下がればこんな素晴らしい政策はありません。
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