2010年7月12日(月)

1-8 不動産業者を調べるには

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

平成19年までは不動産市況も活況であり、次々と新設の不動産会社が登場してきました。漢字名もあれば、見慣れないカタカナ会社もたくさんあります。そういう新しい会社から何千万円、何億円もする不動産を買ったり、仲介してもらう場合、買う側も簡単に取引先を信用しないで、相手の素性を調べるなど慎重さが必要でしょう。その大きな味方になるのが、都道府県庁での宅地建物取引業者の台帳の閲覧です。それを一読すれば、相手の不動産会社の素性をかなり理解することができます。

東京都庁での例ですと、第2庁舎3階の都市整備局不動産業課で台帳閲覧ができます。不動産業者の名簿が区・市毎に分類されていますので、該当する不動産会社を探し、宅地建物取引業者番号を調べて備付の申請書を出せば、直ぐその場で見ることができます(平日9:00~17:00)。

宅地建物取引業者は、免許の更新手続きを5年に一度必ず行わなければなりませんが、不動産業課で閲覧できる書類は、宅地建物取引業者の更新時の申請書その物です。ここには、①前年度の貸借対照表、損益計算書②過去5年間の売買、仲介の実績③取締役の履歴書④宅地建物取引主任者の履歴書⑤事務所の写真等が載っています。

このプライバシー保護の時代に、経営陣(代表取締役、取締役、監査役)の自宅住所から学歴、職歴まで見られるのですから、こんなに貴重な資料はありません。この社長は、xx大学を出て、xx会社出身か。はたまた過去に問題を起こした会社に在籍していたこともあったのかと言う情報も読み取れます。また過去に宅地建物取引業上、お客さんとトラブルがあった場合も、始末書の書類が入っていることもあります。閲覧に来ている人は、企業調査専門会社の方も多く、逆に言えばプロの調査会社にとっても無くてはならない資料と言えます。以前は無料でしたが、現在は1社につき300円の費用が掛かります。

同じように建設業者についても、台帳の閲覧を行うことができます。都庁で言えば都市整備局不動産業課の隣の建設業課で閲覧できます(平日12:30~16:30)。費用は同様に1社につき300円の費用が掛かります。

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