2010年4月15日(木)

渋谷商業地

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 渋谷区神宮前、通称「裏原宿」の店舗の鑑定評価を最近しましたが、改めて店舗の空室率の多さに驚かされました。表参道沿いは流石に空室の看板は無いのですが、一本裏に入ると「FOR RENT」の看板がやたら目に付きます。

 神宮前エリアは元々住宅地でしたが、平成になってから年を追うごとに住宅地の奥へ奥へ店舗ビルが浸食し、店舗供給が相当に増えました。ここ10年くらいは、エルカクエイなどの不動産ディベロッパーが土地を購入しては店舗ビルを作り、また別のファンド会社に売却することで大きな利益を上げていました。

 表参道面で建て替えられた看護協会ビル(2004年竣工)にBurberryが出店しましたが、その時の賃料が1階・2階平均で25万円/坪と当時噂されました。それほど表通りの賃料は急上昇し、裏通りでも路面店なら10万円/坪は取れると見込まれたのです。それがリーマンショック以降一気に店舗需要が減り、前述のように「FOR RENT」だらけとなってしまいました。

 青山、原宿店舗に強い業者さんにヒアリングをしたところ

・現在の賃料はざっくりピークの半値から6掛け。キャットストリート(水路敷き)でも路面店舗で瞬間10万円/坪くらいと言われたが、現在では5万円/坪前後だろう。

・店舗契約更新のお客さんも3割引き、4割引きの賃料交渉をしてくることも珍しくない。オーナーさんもそこまでは減額を呑めないと断ると、本当に退去してしまうテナントも多い。

・大手のアパレル企業も、数多くのブランドを維持できず、リストラでブランド数を減らしている。その分賃料負担能力の高い大手企業の店舗需要が減少してしまった。

 渋谷駅周辺でも店舗に関しては、冴えない話しが多い状況です。女子校生が集まる渋谷109(通称マルキュー)は相変わらず人気が高いのですが、渋谷公園通りは年々商業性が低下しています。ちなみにパルコパート2は、2007年から閉鎖したままです(公式発表では、耐震工事等を行うためだそうですが...)。

 公園通りにある「たばこと塩の博物館」の東側裏が、神南エリアであり、ここ10年くらいで店舗が続々でき人気商業ゾーンとなりました。セレクトショップ御三家(シップス、ビームス、ユナイテッド・アローズ)を中心にアパレル店が建ち並んでいますが、これらセレクトショップも神南路面店は最近では相当に売上を落としているそうです。

 銀聯(ぎんれん)カードを持った中国人若者を大量に呼び込むなど、早めに手を打っておかないと、原宿、渋谷のブランドだけでいつまでも安泰というわけには行かないかも知れません。

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