2010年11月24日(水)

秘かに儲ける水道工事業者さん

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 先日、鑑定評価の仕事を発注してくれたのが、水道工事業の社長さんでした。その社長さんに教えて頂いたのですが、水道工事業者は結構仕事が忙しいのだそうです。建設不況なのに何故なのか。

・現在、主流になりつつあるのが、分譲マンションの給排水管の取り換え工事。築年数30年、40年と言うマンションが年々増え、工事依頼も毎年増えてきている。古くなってきたから、建て替えることができるマンションはそうは多くないから、大概は大規模改修工事を行って、だましだまし長く使っていくことになる。高齢者世帯、借金のある方などは、まずマンション建て替えには賛成してくれないだろう。

・給排水管の取替工事をするというのは簡単にはできない。共用部の縦管は、パイプシャフトのスペースが取ってあるので、専有部に入らないで工事もできるが、専有部(居室)内の横管・縦管はそうはいかない。床を剥がして壁を壊して、給排水管を交換する。それが終わると今度は床を貼って、壁を作って仕上る。これを入居者が住んでいる状態で行わなければならない。

・コスト的にはファミリーマンション1世帯で150万円くらい掛かる。空の状態としても80万円くらいは掛かる。工事を始めるまで3年がかりで居住者への周知をまず行う。今度給排水管の交換工事を行うから、家の改修工事はそれまでやらないで欲しい。今改修してきれいにしても、給排水管工事の時に壊すことになるから無駄になる。こう居住者に、長い時間を掛けて徹底周知させないといけない。

 今後も増え続ける老朽化マンション。水道工事業者さんの春はまだまだ続きそうです。 

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