2010年11月25日(木)

図書館が変わった!指定管理者制度

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 近所の小石川図書館に時折行きますが、日曜日のある日に5時になっても誰も席を立たないことに気が付きました。平日は午後8時閉館ですが、日曜日は午後5時閉館。通常なら大音響のクラッシック音楽が4時45分から流れ始め、「何時までもくつろいでないで、とっとと帰れよ!」と騒音の暴力で急かせていた小石川図書館が、5時を過ぎても静かなままなのです。何故だ?何故なんだ?

 席を立って掲示板に貼ってあった張り紙をみると、日曜日の閉館時間が午後5時から7時に延長。また、月曜日は必ず休みだったのに、休館は第3月曜日だけになったというのです。

 へえ~、やればできるじゃん。そもそも一番利用しやすい日曜日が5時に終わってしまうのが、とんでも無かったのだ。文京区役所も心を改めたのだと理解していました。

 それが先日図書館に行って、3階の廊下の壁に目をやると、A3大の目立たない貼り紙(ポスターと言えない白黒の文字)に、こう書いてありました。

「平成22年4月より小石川図書館では、㈱図書館流通センターが運営しています。第3次行財政改革推進計画(平成21年~23年)に基づき、図書館サービスの拡大と効率的な事業運営を行うため、平成22年4月1日より指定管理者制度を導入しました。」

 あら、知らない間に民間が図書館運営を請け負っていたのか。それにしても、民間に運営が変わったというのは他にどこも書いてないなあ。1階、2階のフロア、入口、一通り探してみましたが、3階以外は全く書いてありません。何故、変わったことをそんなにも隠しておきたいのか?もう少し誇って、知らせてくれたって良さそうなものなのに。ここ最近の図書館の人の挨拶はえらく丁寧だし、とても公務員に見えなかったのは、委託を受けた民間企業(指定管理者)だったからなのか。

 ㈱図書館流通センターとは何者か、netで調べて見ました。

「TRC㈱図書館流通センターは、1979年出版界の総意によって、社団法人日本図書館協会整理事業部の業務を継承する形で創立されました。TRCは図書館を効率よく運営するために、図書館の日常業務全般にわたって、さまざまなサービスをご提供しています。」茗荷谷に本社があって、講談社社長の野間佐和子氏も取締役に名を連ねています。http://www.trc.co.jp/company/organization.html 

 一方、netでは下記のような指定管理者反対のHPも出ていました。

「え? いきなり来年(2010年)から?文京区の「図書館民営化計画」(=指定管理者制度導入)は、本当に民意に基づいているのでしょうか? デメリットやリスクはありませんか?拙速な決定を行うことに私たちは反対します! 」http://1st.geocities.jp/buntoshokan/ 

  なるほど、反対の気持は分かる。仕事取られちゃうんだから。でも、利用者から見れば勝負は見えています。4時45分からの大音響のクラッシックに苛められていた私たちとしては、㈱図書館流通センターに替って本当に良かったと思っています。

追記)先日、図書館に行った折、あることに気が付きました。以前は図書館職員が発行してくれた住民票、印鑑証明書等が取得できなくなっていました。図書館業務は民間に任せたけれども、住民の秘密を扱う証明書発行業務は任せられない。民間に任せたのだから、その他のサービスが低下するのはやむを得ない、ということを言外に言いたいのでしょう。それにしてもくだらない屁理屈、説得力のない猫パンチです。市川市では、セブンイレブンで住民票が取れるのに、文京区では図書館を任せた指定管理者には住民票を発行させないなんて。時間ができたら文京区役所に行って、ネチネチ区職員に突っ込みたいと思います。

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