2011年1月11日(火)

新潟の至宝、ル・レクチェ

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 銀座ミツバチプロジェクトのツアーで新潟市に行き、ル・レクチェを作っている生産者の方を訪ねることになりました。「ル・レクチェってなんですか?」と聞くと、洋ナシだと言うのです。洋ナシはラ・フランスではないかと言うと、日本の梨と同じように、西洋の梨にも数多くの種類がある。ラ・フランスはその中の種類の一つであり、日本では主に山形県で生産されている。ル・レクチェも洋ナシの一種類で、主に新潟県で生産されていると言うのです。

 新潟市亀田でル・レクチェを生産する窪田さん宅で、窪田さん自慢のル・レクチェをご馳走になりました(窪田さんは他にも日本の梨など20種類以上生産する梨園のプロ)。一口食べて、一同皆「美味しい!」、「旨い!」と感激の声。新潟の方が夢中になるのが分かります。日本の梨のようなシャリシャリ感は無く、ラ・フランスを甘くして、よりしっとり柔らかくした感じ。洋ナシの甘さに、桃の触感と言った味わいです。

 窪田さんから、ル・レクチェについて教えてもらいました。

・  ル・レクチェの歴史は古く、100年以上前の1903年に新潟県の庄屋だった小池左右吉さんが、美味しい洋ナシに惚れ込み、原産地のフランスから持ち帰って新潟で生産を始めた。本家のフランスでは生産が難しいことから、現在は生産されていない。

・  以前は、木に実を付けたまま熟すのを待っていた。でも、そのような生産方法だと本当に美味しくならなかった。ある時早いうちに実を取り、そのまま常温で数十日保存していたら、見違えるほど甘く柔らかい果肉になった。それ以来、10月頃まだ実が硬く緑色のうちに収穫。常温(15度前後)で40日くらい保存して、ゆっくり熟成させる方法を取るようになった。実全体が黄色になったら食べごろになる。

・  冷蔵庫に入れて保存すると、実が硬くなってしまい、柔らかい食感が生まれない。熟すまでは必ず常温で保存することが大切。黄色く熟れて食べごろになったら、食べる直前1時間前くらいに冷蔵庫に入れて冷やして食べる。このような熟し方が確立されたのは、まだ10年くらいしか経っていない。この熟し方で食べるようになってから、新潟県内でル・レクチェの評判が高まり、贈答用の人気商品に育った。県内での流通(贈答用が多い)で、かなりの量が消費されているので、まだ東京へ送られている量は少ない。

・  日本橋千疋屋では、大玉(400g~500g)が1個2000円くらいで売られている。東京のデパートでも、徐々に人気贈答品に育ちつつある。地元で売っている小売価格は、大玉で1個500円くらい。4kgの贈答用で、5000円+送料。

 沖縄、宮崎のアップルマンゴーがメジャーリーガーになった今、フルーツ界で次にその地位を狙えるのが、ル・レクチェだと思います。テレビで島田伸助あたりが宣伝し、口コミで火が付けば、あっという間にメジャーになるはずです。出荷される時期は、11月~12月頃。この時期新潟に来たら、是非味わってみて下さい。

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