2011年1月14日(金)

宮古島のボトル本位制

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 1971年8月、ニクソン大統領統治のアメリカで、ドルと金の兌換が停止されました。いわゆるニクソンショックで、これを機に世界経済は大混乱に。金と交換できると言う裏付のあったドルが、アメリカ合衆国の信用と言うだけの紙の紙幣になってしまったのです。

 冒頭の話とは全く関係なく、那覇市松山(新宿の歌舞伎町みたいなところ)の夜のネオン街、お店のお嬢さんとの会話から。

「石垣・宮古島とかでも働いていたけど、あっちは嫌になっちゃう。私達がいくらサービスしても、料金に全く関係ないんだから。」

「じゃ、何で料金が決まるの?」

「お客さんの飲んだ泡盛のボトルの数」

 何か意味が分からなかったけど、宮古島に行ってようやく理解できました。お客の人数が何人だろうと、回りにいる女の子の数が何人だろうと、支払うお金はボトル1本12,000円。追加で頼んだら2本なので24,000円。正にボトル本数だけの料金体系、ボトル本位制なのです。

 我々が宮古島の繁華街「西里通り」で飲んでいた時も、店のママがせっせと水割りを作っていました。あまり水割りを口に付けなくても、次から次と小まめに作ってくれます。

「田中さん、田中さん。ほら、またあのばばぁ、棄ててますよ。」隣のMさんが、囁きました。「棄てるって、何?」「水割りですよ、水割り。さっきから水割り作るふりして、棄ててるんですよ。」

 良く見るとママさんは、グラスに沢山残っている泡盛の水割りを、アイスボックスにガンガン棄てているのです。暫くたってから、ママさんから「お客さん!ボトル無くなっちゃたけど、お代わり貰って良い?」

 泡盛を棄てちゃうのはもったいないけど、ボトル2本でも24,000円。女の子のいる店で4人で飲んでこれなら まあ安いので、追加のボトルも頼みます。

 以上、ボトルに価値を裏打ちされた、沖縄離島、夜の経済学でした。

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