2011年2月8日(火)

佐渡から世界にチャレンジする尾畑酒造

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 1月に佐渡に行った折、佐渡の酒造会社尾畑酒造(創業120年)を訪れ、酒造りの工程を見学させて頂きました。尾畑酒造さんのブランドは「真野鶴」。平成22年秋季関東信越酒類鑑評会で《吟醸部の部》優秀賞を受賞しています。http://www.obata-shuzo.com/home/kuramoto.htm

 酒造の見学の前に、尾畑酒造の跡取り尾畑留美子専務(40歳くらい?)から日本酒の造り方と、世界に日本酒を輸出しようと頑張っている話を聞きました。

 佐渡からいきなり世界へ進出か、素晴らしい!男性には無い、思い切りの良さです。現在、米国など8カ国に輸出していて、中国にも1年くらい前に進出。その国へ進出するポイントは、現地で信頼できるパートナーが見つかるかどうか、これに尽きるとのこと。未進出のフランスでも信頼できるパートナーさえ見つかれば、是非日本酒を輸出したいと言っていました。

 日本酒を作る工程は、ビデオの画面で説明を受けました。米を磨く→米を洗って水に漬ける→米を蒸す→米を38度くらいに冷まして麹菌を振る→2日くらいしてから水を入れて仕込む→約30日醸造(発酵)→酒粕を濾して清酒にする→水を加えてアルコール度数の調整をする→長期で保存するために火入れして出荷、と言う流れだそうです。

「どれくらいのお米で、どれくらいのお酒ができるのですか?」と尋ねると、「昔から米1升、酒1升と言われています。すなわち、お米の量とほぼ同等のお酒が造れるということです。」なるほど、米の原価が200円/kgなら、1升ビンの米原価は約400円となるのか。

 この説明の後に、酒造りの現場を特別に案内して頂きました。

 ①米を磨く:玄米の外側を削り取る精米をして、タンパク質、脂肪を減らす。精米の割合によって、造られるお酒の名称も変わる。精米50%以下が大吟醸酒と呼ばれる(例えば精米40%とは、60%を磨いて削り40%が残ること)。精米50%から60%が吟醸酒。精米60%から70%が純米酒と呼ばれる。

②米を洗って水に漬ける:精米の終わった白米のヌカやゴミなどを取り除くため洗米をする。精米した米は、デリケートなので割れやすい。秒単位で計って水に付け、米に吸水させる。

③米を蒸す:吸水させた米を、蒸気で1時間くらい蒸す。これを38度くらいに冷ましてから、粉状の麹菌を上からふり掛ける。この麹菌を掛けたお米を適当な温度で2日くらい置き、麹菌を繁殖させる。ちなみに新潟県には麹菌を扱っている業者がいないので、他県(確か四国と言っていたような?)から取り寄せている。

④仕込み:麹菌が繁殖した米(酒母)に水を加えて、仕込みに入る。お水でも軟水と硬水で酒の味が全く違ったものになる。ちなみに佐渡は軟水。

⑤発酵:仕込みをした後は、30日間くらい発酵させて、もろみを作る。この間はひたすら温度を一定に保つことが最重要(確か5度と言っていた)。夏場の温度管理は大変で、昨年の猛暑には苦労したとのこと。

⑦搾り(酒粕を濾して清酒にする):発酵が終わると、搾って清酒と粕に分離する。分離しないで、酒粕を混ぜたままなのがドブロク(濁酒)。この搾った後の清酒は、アルコール度数が21度くらいと高い(一般の日本酒は15度前後)。

⑧熟成:アルコール度数が高い状態よりは、度数が15度前後が美味しい。この度数調整は、水を加えて暫く熟成させる(割り水)。アルコール度数15度と言うのは、美味しいと言う経験上の数字でもあるが、昔の酒税法の名残りでもある。当時は、アルコール度数15度以上だと酒税が高くなったので、15度以下にしたという理由も強い。清酒には菌類も残っているので、品質を安定させるには火入れ(65度くらい)をしてから熟成させる。直ぐに飲むのであれば、火入れをしないで「生酒」として飲むこともできる。

 できたての日本酒が度数21度とは知らなかった。また、作る期間も2ヶ月間くらいなので、意外と短く造れることも知りました。佐渡から世界を目指す尾畑酒造、そして尾畑留美子専務には、一層頑張って欲しいと願っています。

 

追記1)米どころ佐渡には、昔から何十の酒造メーカーがあったそうですが、現在は6件残っています。中でも北雪酒造は、酒好きの人にはかなり有名のようです。米国をはじめ世界に有名レストランを展開する「NOBU」でも、日本酒は全て北雪酒造が納めているそうです。ちなみにNOBUの経営は、シェフの松久伸幸氏と俳優のロバート・デニーロが共同で行っています。

追記2)佐渡の酒で、私が一番気に入ったのは、(有)加藤酒造店の活性にごり酒「金鶴」です。炭酸が残る発泡酒で、スパークリンクワインと言ってもおかしくない、すっきりしたフルーティーな味わいです。フレンチ、イタリアンでワインの代わりに飲んでも、全く違和感がありません。年間600本しか造っていないと言われ、慌てて2本買って帰りました。上手くプロモーションすれば、“佐渡のドンペリ”として有名になること、間違い無しです。というか、佐渡の蔵元全体が協力して、発泡酒で世界を目指せば、かなり面白い展開になるはずです。

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