2011年4月29日(金)

石神井公園のカワセミ

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 東日本大震災が起きて一週間後に、練馬区石神井台の鑑定評価の仕事を頂きました。以前練馬区の地価公示を担当していたので、自分の庭のようなものです。取引事例を見て回っているうちに、石神井公園のそばまで来ました。都立石神井公園は、三宝寺池、石神井池を取り囲む水辺の美しい公園です。沼沢植物や雑木林が群生し、武蔵野の自然が良く残されています。塞いでいた気持ちも何となく和らいできます。

 石神井公園の南側隣接には、鎌倉時代の末期から石神井郷を支配した豊島氏の居城跡「石神井城跡」があります。豊島氏は西東京地区を約400年支配していましたが、1477年に最後の城主豊島泰経が太田道灌との戦いに敗れ、このとき石神井城も落ちました。ちなみに豊島氏は、現在の豊島園に練馬城も持っていました。

 石神井公園北側の石神井6丁目地区は、南傾斜に300坪クラスの敷地規模の豪邸が建ち並ぶ、練馬区一の高級住宅街です。公示価格でも、石神井6-4-13(練馬-39)は、平成23年度で468千円/㎡(155万円/坪)と練馬区住宅地最高価格となっています。

 久しぶりに三宝寺池の周りを散策していると、望遠レンズを持った10人くらいの集団が目に入りました。何だろう、何がいるのだろう?矢鴨でもいるのか、はたまた心無い飼い主に捨てられたワニが見つかったのか?集団の後ろにつき、覗き込みましたが何も見えません。2、3分見ていて何も変化が無いので、諦めてその場を去ろうとしたとき、カメラを持った人たちが臨戦態勢に入りました。

 そこには鮮やかなライトブルーの小鳥が、水上1mのところで羽ばたいています。そして、すっと水中に刺さっていきました。10秒くらいするとまた水中から出てきて、上空でホバリングをしています。そんな動きを3回してから、遠くに飛んで行ってしまいました。そうです、この美しい小鳥はカワセミです。石神井公園にはカワセミがいるのかと嬉しくなりました。

 そのカワセミを見かけた池のすぐそばに、公園の立て看板がありました。“この水辺観察園では、近年目撃数が減少しているカワセミを保護し、当公園に呼び戻そうと、ボランティアグループと協力して給餌・繁殖等を行っております。” なるほど、積極的にカワセミを増やそうと努力しているのか、素晴らしい取り組みです。

 昨年の4月にも、文京区の小石川植物園でもカワセミに遭遇しました。小石川植物園の坂の下の方にいくつか湧水池がありますが、そこで水中に何度も飛び込んでいくカワセミに会うことができました。カワセミが来ることを知っているのか、望遠レンズを持った人たちが数人いました。

 多少人の手を借りてでも構わないので、東京の公園に多くのカワセミを増やしてもらえると、公園に行く楽しみが倍増します。

追記1)ネットで調べたら、東京ドームそばの小石川後楽園(水戸藩徳川家の上屋敷跡)にもカワセミが現れると出ていました。

追記2)丸ノ内線茗荷谷駅近くの「教育の森公園(放送大学、筑波大付属小学校がある)」の奥の方に、春占園(しゅんせんえん)という自然状態の公園があります。というか、ほとんど整備していないので、荒れ果てた感じの旧大名屋敷の庭園です。ここで1年くらい前に、ウグイスが鳴いていました。ちょっとした森があると、結構いろいろな野鳥がいるようです。

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