2011年8月12日(金)

辰野金吾設計の旧盛岡銀行(岩手銀行中の橋支店)

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 今週、仙台まで行ったついでに盛岡まで足を伸ばしてきました。盛岡は過去2回来ていますが、わんこそばを食べて帰っただけなので、盛岡城跡以外に何があるか何も知りません。駅の観光案内所でもらった市内地図を見ていると、とても魅力的な赤レンガの建物が目に付きました。

 説明文には「東京駅を手掛けた辰野金吾・葛西萬司建築事務所が設計して明治44年に建てられた旧盛岡銀行で、国の重要文化財。赤レンガと白い花崗岩の帯が美しく外観は目を引きます(ライトアップをすると一段と鮮やかに浮かび上がります)。」と書かれています。場所は盛岡城跡公園の東端で、中津川のそばにあります。

 その写真がこれです。素晴らしい!!こんな見事な建物が盛岡の町には残っていたのか。来年6月に辰野金吾が設計した東京駅赤レンガ駅舎が復元完成します。それに合わせて岩手県、盛岡市は辰野金吾設計を前面に打ち出し、大々的に宣伝すべきです。今は平泉の世界遺産登録で勢いに乗っているので、盛岡駅まで観光客を引張り、この建物も見てもらうべきです。

  現在も現役の銀行店舗として使われています。すると、そうか、中に入ることができるのか!と思って時計を見れば既に16時を過ぎています。後でネットで探してみると、しっかり建物内部の写真まで出ていました。由緒ある洋館そのもので、非常に見事な空間の写真でした。次来る時は、口座作るふりしてしっかり見学したいと思います。

 またこの近所に、やはり由緒ある銀行店舗がもう一つあります。盛岡信用金庫本店です。さっきのガイドを見ると、「盛岡市出身の葛西萬司氏の設計で、昭和2年に建てられた旧盛岡貯蓄銀行です。花崗岩を貼った直線的な外壁で、アクセントに石彫を装飾し、建物の正面は太い列柱がどっしりと構え、昭和初期のモダンな表現と近代的デザインの流れを汲んでいます。」と書かれています。

 盛岡信用金庫本店をもう少し北に行くと、やはり盛岡のランドマークになっている「紺屋町番屋」と「ござ丸」があります。紺屋町番屋は昔の消防署で、火の見やぐらが目印です。ござ丸は燈明用の燈心や藁工品を売った豪商の商家です。

     紺屋町番屋と火の見やぐら

   中津川沿いに風情が残る商家の建物「ござ丸」 

 観光客はほどんどおらず、町の人達も余りにも当たり前な日常風景なので、誰もこれらの建物を眺めている人はいませんでした。でも余所者の観光客には、来てみて良かったと感動させる素晴らしい建物群です。盛岡市民は大いに誇って、宣伝して欲しいものです。

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