2012年10月2日(火)

じとっこ鶏購入の塚田農場の手法、酒蔵から低価格で仕入れる手法

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

カンブリア宮殿に出ていたapカンパニーの米山社長。ap社が展開するのが、宮崎県のブランド地鶏の「みやざき地頭鶏(じとっこ)」を使った塚田農場です。じとっこは宮崎県畜産試験場にて開発され地域ブランド化した地鶏で、市販では100gあたり400円前後の高級鶏です。これをお店で普通に仕入れては採算が合わないので、AP社は農協、卸業者、市場を通さず、生産農家から直で仕入れます。

テレビのフリップで出ていたのは、通常じとっこ生産者は農協に1700円/kgで卸す。それが卸業者、仲卸業者等を経由して、最終の小売店舗では3400円/kg、3500円/kgで売られている。これをap社は、少し高い1800円/kgで生産者から購入。それも生産された鶏の全量を必ず買取る。通常よりも高く、そして全量を買ってくれるというのは生産者にとって、大変有難い仕組みです。

塚田農場は、高級地鶏で通っているじとっこを使うことで、他の居酒屋店とは差別化し、順調に売り上げを伸ばしています。

話は変わり、いつも参加している勉強会のハートストック研究会でのこと。講師のTさんが本題の説明が終わった後、趣味の世界で参加している日本酒酒蔵と酒店の集まりの「吟奏の会」について説明してくれました。吟奏の会は、「美味しいお酒」を厳選し提案する全国ネットの酒販店グループです。日本酒の熟成にこだわり、原酒(割り水をしていない酒)を造り、5度以下で保管し熟成させる酒を作っています。

しかし手間を掛ければ当然コストが嵩み、高く売らないと儲かりません。それを安く販売できるように、吟奏の会で一定量をまとめて買い取る。それにより、通常4合瓶で3000円、4000円の価格を付けないと採算に合わない純米大吟醸酒を、その半額くらいで購入しているとの説明がありました。

なるほど、ここでも共同購入、グルーポンの仕組か。ap社は、地鶏生産者からダイレクトで鶏肉を仕入れることで低価格で仕入れる。吟奏の会では、共同購入で酒蔵に大吟醸酒を作ってもらい安く購入する。

それならば、何店舗か居酒屋を経営しているお店も、気に入った酒造から美味しい日本酒を作ってもらい、それを直接大量購入することで安く仕入れる。そしてお客さんに美味しい日本酒を低価格で提供することができるのでは。

ちょっと有名で売れている日本酒、例えば一四代、獺祭、飛露喜あたりだと、一杯900円、1000円くらいしてしまうお店が多いのが東京です。無名だけどこれらの有名酒に負けない旨い日本酒も各地には多々あります。さほど有名でないけど旨い日本酒を作る酒蔵に、コストを掛けて旨い日本酒を作ってもらい、直接大量買いの手法で安く仕入れる。来たお客さんの方も、今まで聞いたけど感動する旨いお酒が低価格で飲めれば、必ず常連になってくれるでしょう。

良く店先に有名日本酒の瓶がずらっと並んでいるお店が多いですが、そう言うお店に限って大したことがありません。と言うか並んでいる日本酒自体が入手できていないし。それよりは、とびきり美味しい無名の日本酒が低価格で呑めるお店。そんな呑み屋が私の為に出現することを祈ってやみません。

追記1)吟奏の会お勧めの大吟醸「茨苑」を当日ご馳走になりました。常陸太田市の蔵元「岡部合名」さんと酒屋の「土浦鈴木屋」さんの連携により、平成19年に誕生したお酒です。3年物の古酒を当日頂きましたが、旨味が強い見事な熟成です。香りも良く、口の中で広がり、素晴らしい一品でした。名ばかりの日本酒ではなく、こういう日本酒が必ず呑めるお店、そういうお店を待ち望んでいます。

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