2013年4月12日(金)
東京シャツの戦略
「Brick House」を展開し業績好調の東京シャツ。この会社が如何にデパートへのワイシャツを納めるだけの会社から、製造して自分で売る業態に変化できたか、ネットの記事に出ていました。
・元々は百貨店にワイシャツを製造して卸すだけの会社。百貨店では自社製品が12,000円くらいで売られていたが、百貨店のマージンはなんと55%。自分のところの手取りは45%しかなかった。お客さんの方が、もの凄く割高にワイシャツを買っていた。
・そこで百貨店の3分の1の価格で売るシャツ店を考えた。また、それまではデザイン性が無い実用衣料品としてワイシャツを作っていたが、これをデザイン性が高いシャツを作った。「高品質、高感度、値頃感」を標榜した。
・その頃同業のシャツ卸は、SPAや紳士服専門店の台頭でお客を取られ、どんどん潰れて行った。
・今絶好調なのが越谷イオンレイクタウンで7坪で始めたシャツのフルオーダー店。生地は500種類の中から選べる。納期は2週間。作っているのは千葉県松戸市の自社工場で完全な国産。リピーターもかなり増えた。スーツでもそうだが、20代、30代の年代のオーダー需要が増えている。
デパートに行くと感じますが、ワイシャツもダンヒル、ミラショーン、セリーヌなどの小さいロゴマークが入ると、途端に価格が2倍くらいに跳ね上がります。生地だってほとんど変わらないし、デザインも縫製も大差無いのに。東京シャツのように、高いデザイン性で高品質、値頃感のあるシャツが支持されるのも分かります。それにしても売値の半分以上のマージンを取った商売なんて、良く今まで続いていたなと感心してしまいます。
同じようにロゴマーク一つで価格が跳ね上がる商品がデパートにはゴロゴロしています。靴下、バッグ、鞄、靴、ネクタイ、ハンカチ、等々。こういう従来型ブランド商品に対して、最近では台東区辺りの若いデザイナーが作った低価格、高品質、オリジナリティあふれる商品が支持されています。
デパートの売上減少が続くのは、こういう商売を長年続けていたのが原因とすれば、深い病巣と言わざるを得ません。
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