2015年2月12日(木)

2014年の日本の経常収支

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 2月9日に2014年日本の経常収支が発表されました。総額+2.4兆円の黒字でした。経常収支は、貿易収支に所得収支、金融収支を加味して計算します。2014年度はピークだった2007年の1割にまで減少したそうです。

・貿易収支は、10.3兆円の赤字だった。対前年度赤字は1.6兆円増加した。輸出総額は74.1兆円。輸入総額は84.4兆円。液化天然ガス(LNG)の輸入が11.2%増加したことが増加している大きな要因。

・旅行、輸送のサービス収支は3兆932億円の赤字。旅行だけの収支は、1251億円の赤字だったが、対前年だと赤字が5294億円減少した。このまま外国人旅行客が増加すると、旅行収支は2015年黒字転換しそうな勢い。

・知的財産権等使用料は、1.7兆円の黒字だった。

・企業の海外子会社の稼ぎが、第一次所得収支。2014年も順調に増え、18.7兆円の黒字だった(対前年1.6兆円の増加)。

・2014年12月に限れば、輸出額は7.1兆円で、対前年同月比+19.3%の増加だった。円安に振れて2年経ち、今後、輸出金額の増加が期待でき、貿易赤字の減少が期待される。また、原油の下落、及びこれに連動する液化天然ガスの下落が、貿易収支の改善に大きく寄与する。

・2014年の原油輸入量が約14兆円で、原油が1バレル50ドル前後で安定すれば昨年度比ほぼ半額となるので7兆円の改善効果となる。

・天然ガスと昨年12月くらいから大きく下がっている。2013年度輸入額は約7兆円。ちなみに東日本大震災前は約3.5兆円の輸入額だった。原油に連動するとすれば、2010年当時の価格になるはずだが、原子力発電所の停止で2010年約7000万トンの輸入が、2013年8700万トンの輸入と約25%輸入増加となっている。円安で20%くらい高くなり、天然ガス価格が40%くらい安くなっている状況。何だかんだで2兆円くらい安くなる計算。

・石炭は、2013年度輸入額が約235億ドル。今年最大で18%程度下がると言われており、円安による輸入額増加とほぼ相殺される計算。

ドル円相場はほとんどが円安方向と書いてありますが、貿易収支の改善を考えると円高方向に行くような気がするのですが。

このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

最新記事

不動産業界コラム

過去の記事

ページの先頭に戻る↑