2011年2月7日(月)

海外で日本の居酒屋が大人気

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 1月25日放送の日本テレビ「ズームイン朝」で、海外で日本の居酒屋が大人気と放送していました。日本では、ワタミもモンテローザも売上を大きく落とし、至る所で居酒屋店の退店が相次いでいます。それなのに、居酒屋が海外で人気とは。

 テレビでは最初に、ニューヨークを取り上げていました。地元新聞が居酒屋が人気であると取り上げ、居酒屋の定義をこう載せたそうです。“大人が意味の無い会話をしながら、酒をちびちび飲んで、食事をする場所”。なるほどと言うか、英国風のエスプリです。日本のメジャーの居酒屋店は無かったのですが、「力(リキ)」、「ケンカ」、「萩」などの色々な名前の居酒屋が登場していました。何故ニューヨークで居酒屋が人気なのかは、日本料理が低価格で食べられるのはもちろんですが、下記の理由を取り上げていました。

・  海外のレストランでは、決まったコース・メニューが多く、仲間同士で食事をシェアしづらい。居酒屋では好きな時に好きな食べ物を頼め、仲間と分けて沢山の種類を食べられる。デザートを食べた後に、焼き鳥を頼んでも良い。

・  日本風のお銚子、お猪口で日本酒を飲むのが楽しい。

日本酒は米国でも徐々に認知度も高まり、愛好家が増えているようです。銀座辺りの居酒屋でも、時折外国人旅行者数人が楽しそうに飲んでいますが、日本の文化を理解してもらったようで嬉しく思います。

 その次に日本に住む外国人に、居酒屋の優れている点をアンケートしていました。

・  店員がキビキビ働いていて、注文を直ぐに取りに来るし、デリバリーも早い。海外では、呼んでもなかなか来ないし、料理もすぐには出てこない。

・  膝を付いて接客してくれて、大切にもてなされている気にしてくれる。欧米の店員なら、上から見下ろすように接客される。

・  メニューに写真付で料理が紹介されているので、非常に分かりやすい。見たことが無い料理でも、大体理解できる。

・  メニューが豊富で、1箇所の店で色々な料理を食べることが出来る。

日本人が当たり前に思っている居酒屋が、ガラパゴス化して、超進化していたようです。儲からないお店を無理無理日本で展開しているより、ニューヨーク、香港、パリ、モスクワ辺りにバンバン進出したほうが夢もあるし、経営的にもよほど良さそうです。

追記1)外食産業総合調査研究センターがまとめた外食産業市場規模推計によると、「居酒屋やビアホール」部門は、ピークが1992年の1兆4629億円。これに対して、2009年度は前年比3.9%減の1兆187億円。実にピーク時に比べて約30%減となっています。また、帝国データバンクの発表によると、2010年に倒産した「居酒屋」が前年比4・1%増の201件にのぼり、過去最多だったと発表。最近もらう飲食店舗ビルのレントロールでも、空室部分は以前居酒屋店だったと言うのが目立ちます。

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