2011年2月14日(月)

佐渡の伝統人形劇「文弥」

都市鑑定アドバイザリー(株) 不動産鑑定士 田中祥司

 米国人で日本に長く住むLさんと話していた折、先月佐渡に行って大空に舞うトキを見たと自慢したら、Lさんご夫妻も数年前に佐渡へ旅行に行ったとのこと。Lさんから聞いた、佐渡に行った時のエピソードです。

・佐渡のホテルで夕食が終わった後、皆で飲みに行く。バスが迎えに来るので、ロビーに7時に集合と言われた。飲みに行くのに、わざわざバスで行くのかと思いながら、バスに乗った。

・  バスに揺られること30分くらい。ようやく着いたところが、人気も無いような神社だった。何でこんなところにお酒を飲みに来るんだ?と、不思議に思っていたら、神社の舞台で伝統的な日本の劇が始まった。

・  誘ってくれた人は、「飲みに行く」と誘ったのではなく、「能、見に行く」と誘ったのだった。幻想的な神社の舞台での能は、とても素晴らしい記憶として残っている。

 先月、佐渡に行った折、佐渡伝統芸能の人形劇「文弥(ぶんや」」を30分くらい見ました。その後「文弥人形」の説明を聞きました。

http://www.niigata-kankou.or.jp/sado/kanko/institution/5844.html

・  文弥人形は、佐渡市に伝わる国の重要無形民俗文化財。同じように、能も佐渡では伝統的に受け継がれている。

・  演目は、歌舞伎、能と同じ題材を使う。演目は43種類ある。

・  関西などで行われる人形浄瑠璃「文楽」は、三味線を弾く人と、語る人が別々。佐渡の場合は、一人が三味線を弾きながら語りも行う。

・  人形の背を裂いて手を入れて、人形を動かす。頭が前後左右に動くようになっており、人形の微妙な表現を行える。

・  このような文弥を行う劇場が10箇所ある。

我々が見た劇場の大きさは、70、80人くらいが入れるくらいの大きさで、観客は畳敷きに座り、50cmくらい高くなった舞台があります。三味線・語りの方以外に、人形の使い手の方が3人いました。全員が女性です。「これからも長く残していきたいのですが、演じる方が減っていて、後継者不足で悩んでいます」とのこと。

 私には文弥人形の素晴らしさが、まだ全然分かっていませんが、観光で生きようとする佐渡なら、何が何でも残すべき伝統芸能だと思います。現役の演じ手の方には今暫く頑張って頂き、新人を増やす。佐渡の若者、もしくは全国区から演じ手を集めて、世阿弥からの伝統を守ってほしいと思います。

追記1)次の日、神社の能舞台を見学しました。何とも言えない雰囲気のある素晴らしい野外舞台です。冒頭のLさんが見たのは、ここの舞台だったのでしょうか。

追記2)私が参加しているハートストック研究会のメンバーの方は、文楽大好きの方が数人います。文楽の東京公演は人気が高く、チケットがなかなか取れないそうです。本場大阪の文楽なら比較的チケットが取れるので、定期的に大阪まで文楽ツアーをしているそうです。

追記3)佐渡の文弥、能が生きていくには、定期的に大都市近郊で公演を続け、ファンを新しく獲得していくしかないでしょう。テレビで見ても迫力が無いので、退屈なだけ。ライブ活動、これが一番です。CSR(Corporate Social Responsibility、企業の社会的責任)を標榜する企業であれば、是非ファン獲得に、協力してもらえればと思います。

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